僕らは奇跡でできている ~第一話を観賞して~
今年最後のドラマが開始され、早1か月が過ぎました。今クールでは、下町ロケットやリーガルVといった高視聴率期待ドラマや、これまでのブランドを打破する戸田恵梨香さん主演の大恋愛など、楽しみがいのあるドラマが勢ぞろいとなっています。
なかでも、私が気になった作品の一つ「僕らは奇跡でできている」は、観る人によって異なる観点を抱かされる作品となっています。
僕らは奇跡でできている SPECIAL BOOK / 関西テレビ 【本】
- ジャンル: 本・雑誌・コミック > エンターテインメント > 映画 > その他
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私としても考えさせられる作品のため、個人の気づきと見解を自由に述べ、ここへ記録したいと思います。
<目次>
1.〝変人〟こそ常人であり、〝常人〟こそ変人ではないか
高橋一生さん演じる相川一輝の人柄が、とても面白い。今の世の中では一風変わった人柄の印象で、誰もが変人だと思うはず。
現実社会においても同様です。これほどの変人がいるといつも考えさせれらるのは、俗にいう〝変人〟こそ常人であり、〝常人〟こそ変人ではないかと、固定観念を疑ってみたくなります。
例えば、常人にはない変人の魅力を考えてみると、次のようなことが挙げられます。
- 自分軸がある
- 自分にとっての〝好き〟を知っている
- 自分を信じられる
- 自己主張ができる
- 自己と他者の共存ができる
2.おじいちゃんの教育法
田中泯さん演じる相川義高(以下、おじいちゃん)の教育法が素晴らしくて勉強になります。割れてしまった陶器の使い道について、教えるのではなく一緒に考えるスタイルは、地頭を育てるために必要とする教育法です。
地頭育成のほか、興味や関心、好奇心教育につながると期待できますよね。幼少期の映像が挟まれていることによって、一輝の人間性の根源を垣間見ることができて共感します。
また、おじいちゃんの教育と対比する家族には、川口和空くん演じる宮本虹一(以下、虹一くん)親子。現代社会の課題とも言える「正解を重んじる教育法」と対比しています。
主に30代後半から50代前半に多い印象を持ちますが、この時代の流行の副作用ともいえるのではないでしょうか。だからこそ、今ではアクティブラーニングが主流となり、ビジネスの現場では、大人と子供の育成に力をいれる人たちが増えています。
蛇足ですが、榮倉奈々さん演じる水本育美と一輝、要潤さん演じる樫野木聡と一輝、学生と一輝など、様々な場面で対比して印象づけられています。そのため、非常に観やすい作品です。
3.うさぎとかめからみる物語の解釈は自由
新たな観点を提供してくれた虹一くん。カメに光を当てた彼の視点は、リアル社会においても集団に一人はいます。
ウサギがみているものはカメ。
カメがみているものは目の前の世界。
一般論の「うさぎとかめ」ではなく、独特の観点からウサギとカメを考察する力こそ、本来学業を通じて養いたい力であり、自律した社会人に必要な力ではないでしょうか。
各々の思考環境(新しい風が入りやすい環境/柔軟性)によって、人の意見を聞きたくなるし、想像したくもなる。さらには、対話して深化を図りたくもなります。
多様性を知ることによって、己の視野が広がり、視座や視点が養われていく思考。私たちは、違いを受け入れ成長していくというメッセージをもらった気がします。
蛇足ですが、〝己の固定観念こそ、疑い問いたい〟は私の座右の銘の一つです。リアル社会においてもグループワークやフィールドワークをしている最中、突拍子もない意見が提示された際、拒否反応をおこしてしまうことがあります。いつかは固定観念の柔軟性を手に入れた自分になりたいと切に願っています。
4.おわりに
今回は上記3点をピックアップして執筆しました。しかし、見どころはたくさんありましたよね。劇中に流れるゆったりとしたBGMと、一歩踏み出したシーンや心の動きが見えるシーンで流れるSUPER BEAVER「予感」は見どころです。
歯科医院で虹一くんがお絵描きしていたウサギとカメなど起承転結の結に至るまでの丁寧な伏線によって印象づけられているので、とてもみやすくあっというまのひとときを味わえます。二回目の観賞では伏線も楽しめますよね。
演出の視点や現代社会に対するメッセージなども含め、考えるチャンスをもらっているような気持ちですので、最後まで楽しみたいと思っています。
最後に、中島さん演じる沼袋順平先生の変化と成長も楽しみにしています。
・・・児島だよ。
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